Qwen3.8-MaxはMax級で初のオープンウェイト予告
Qwen3.8-Maxは、Qwenチームが2026年8月3日に発表した最上位モデルです。Qwen3.5のアーキテクチャを基礎に、総パラメータ2.4兆、推論時に有効なパラメータ95Bまで拡張。コーディング、実作業、調査、長時間タスクの改善を掲げています。
現在はQwenCloudのAPIで利用できます。公式ブログと公式Xは、Max級で初めてウェイトを公開し、Qwen3.8-27Bもオープンウェイト化すると案内しています。ただし2026年8月6日(木曜日)時点の公式表記は「翌週に公開予定」です。ライセンスや配布形式は、実際のモデルカードが出てから判断します。
※ 用語:MoEは、入力に応じて一部の専門ネットワークだけを動かすモデル構造です。
Qwen3.8-Maxの公式ベンチマーク
公式ブログは、ソフトウェア開発、ターミナル操作、研究再現、共同作業、視覚推論など16項目の比較図を掲載しています。Qwen3.8-MaxはSWE-Proで67.7、TerminalBench 2.1で86.6、PaperBenchで93.0、CoWorkBenchで74.8です。
一方、比較対象が上回る項目もあります。たとえばSWE-ProではFable5が80.0、TerminalBench 2.1ではGPT5.6 Solが88.8です。この図は「全項目で首位」という根拠ではなく、このモデルが複数種類の作業をどの水準で扱うかを見る資料として読むのが適切です。

※ 用語:ベンチマークは、決められた問題と採点方法でモデルの能力を比較する評価です。
長時間コーディングで示されたこと
公式ブログでは、空のフォルダーから自己改善型の開発基盤を作る10日超の実行例を紹介しています。7月30日時点では約16日間の自律実行で265コミット、127件のPR、151件のIssueに到達しました。別の例では、論文再現と改善を約125時間続け、33回のGPU学習を実施。コンテスト例では24時間に45回提出し、526チーム中458チームを上回ったと報告しています。
数字の大きさより、コード生成、実行、テスト、結果の確認、修正を一つのループとして継続した点が重要です。個人開発では、長時間任せる前に小さなリポジトリで停止条件と確認方法を試す材料になります。
※ 用語:長期自律実行=モデルが複数の作業と検証を繰り返しながら目標へ進む使い方。コミット=ソースコードの変更を一単位として履歴へ記録すること。PR=変更内容を確認して取り込むための提案。Issue=不具合や作業を記録する項目。GPU=AIの学習や推論で大量の計算を並列処理する装置。
RL環境を増やした作業能力の変化
公式は、タスク、作業フォルダー、実行ハーネスを増やしながら強化学習した結果も公開しています。10以上の評価をまとめたScore Indexは、SFT基準の0.474から上昇し、4,000環境のチェックポイントで0.725に達しました。4,500と5,000環境の点はそれぞれ0.719、0.689なので、環境数を増やせば常に伸びるという図ではありません。

※ 用語:RL=結果への評価を手掛かりに行動を改善する強化学習。SFT=正解例を使って望ましい応答を学ばせる教師あり微調整。チェックポイント=学習途中または完了時のウェイトと設定を保存したもの。
Codexを含む実行環境での比較
もう1枚の公式図は、QwenWork、Claude Code、Codex、OpenClaw、Hermesなどで同じモデルを動かした比較です。MaxはCoWorkBench、WorkspaceBench、JobBenchで近い範囲の結果を示し、特定の実行環境だけに依存しにくいことを公式は「cross-harness generalization」と説明しています。

※ 用語:ハーネス=モデルにファイル操作やコマンド実行などの道具を渡す実行環境。cross-harness generalization=実行環境が変わっても能力を保てるかという汎化の観点。
個人開発者が試す順番
すぐ試すならQwenCloud APIが入口です。公式はOpenAI互換のChat CompletionsとResponses API、Anthropic互換APIを案内し、reasoning_effortはxhigh、medium、lowから選べます。まず同じ小さな課題を各設定で実行し、回答品質、待ち時間、消費量を記録すると比較しやすくなります。
ローカル実行を望む場合は、27Bを含む公式モデルカードの公開を待ちます。パラメータ数だけでは必要メモリを確定できないため、ライセンス、対応コンテキスト長、配布精度、推論ツールの対応を確認してから環境を用意します。
同時期の公開ウェイト候補と評価項目をそろえるなら、DeepSeek-V4-Flashの記事も比較用のチェックリストとして使えます。
※ 用語:API=モデルをプログラムから呼び出す接続口。Chat Completions/Responses API=会話や応答生成を依頼するAPI形式。reasoning_effort=推論へ使う計算量の段階を指定する設定。モデルカード=仕様、利用条件、実行方法をまとめた公式説明。
まとめ
- 総パラメータ2.4T、推論時に有効なパラメータ95BのMoEモデル
- 公式評価は短い問題だけでなく、長時間開発と複数の実行環境も対象
- 現在はQwenCloud APIで利用可能
- Maxと27Bのウェイトは2026年8月6日(木曜日)時点で公開予告の段階
公式配布ページを確認し、API評価とローカル評価を分けて進めるのが安全です。
※ 用語:オープンウェイトは、学習済みの重みを入手して自分の環境で推論できる公開形態です。







